住宅ローン金利比較

変動金利のリスクマネジメント

30歳で35年ローンを組んでマイホームを購入。

マイホームの購入のために貯金はすっかりなくなってしまったが、15年後にこどもが大学生になるまでに、教育費の積み立てをしておきたい。

変動金利は金利が上がるリスクはあるが、返済を続ければ元金も減るので、返済額が跳ね上がるということはないだろう・・・

この試算には、大きな誤りがあります。

変動金利のリスクを見誤り、無理な返済プランを立ててしまうと、最悪の場合住宅ローン破産に陥ってしまうかもしれません。

変動金利がもつリスクと、リスクをコントロールする方法を紹介・解説していきます。

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バブル期の金利は8.25%!

変動金利のリスクについて、楽観視する傾向が強いと感じています。

「この10年間ほとんど金利は変わっていませんよ」「10年ごとに1%金利が上がっても変動金利のがお得」

銀行マンや、ネット上の情報サイトではこんな説明をよく見ます。しかし、これは住宅ローンを組んでほしい人たちの、営業トークです。

10年間金利が上がっていないからと言って、10年後も今と変わらない保障はどこにもありません。10年ごとに1%金利が上がっても大丈夫。では10年ごとに2%金利があがったらどうするのでしょう?

将来の金利の予想は、銀行マンやプロのトレーダーでも難しい課題です。まして、10年後、20年後という長期間の金利予想は誰にもできないでしょう。

この30年の間にバブル景気とバブルの崩壊、リーマンショックをきっかけとする世界恐慌など、市場経済はまさに山あり谷ありです。今からの30年でもう一度バブルや金利の急上昇が起こっても不思議ではありません。

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変動金利の基準となっている短期プライムレートは、バブル期には最高8.25%(1990年12月12日)を記録しています。現在は2.475%なので、実に5.8%も金利が高かったのです。

固定金利の基準となっている10年国債も似たような動きになっていますね。バブルの最盛期には7%に達しています。2016年現在では、日銀のマイナス金利導入の影響もあり、金利がマイナスになっています。つまり7%以上も下落したことになります。

将来、金利が7%以上も高くなってしまう可能性も、決してないとは言えないのです。

変動金利はギャンブルの側面も持っています。使い方を間違えると、身を滅ぼすことにもなりえます。

住宅ローン金利はどう決まる?金利予想の仕方

金利が上がったら固定金利にすればいい?

もしも変動金利が上がり始めたら、固定金利にすればいい。しかし、この方法はあまりうまくいきません。

金利が上昇するときは、変動金利が先に上がり、金利が低下するときは固定金利から下がるという法則があります。つまり、変動金利が上がり始めた時には、固定金利はすでに高くなってしまっているのです。

それなら固定金利に注目しておけばいい、というわけでもありません。固定金利と変動金利は、お互いに影響をもちつつも、金利を決定する基準が違います。固定金利は上がったけれど、変動金利は変わらないということもあります。また、固定金利が上がったのは一時的で、少し間をおいてまた下がるかもしれません。

変動金利から固定金利に乗り換えが難しいもう一つの理由は、金利差です。変動金利は金利が低く、固定金利は割高です。つまり、変動金利から固定金利に変えるということは、少なからず金利が上がってしまうことを覚悟しなければなりません。

金利と返済額が増えてしまうプランに切り替えるというのは、なかなかできないものです。

金利が上がれば所得も上がっているはず?

基本的に、金利は景気が良い時は高く、景気が悪い時は金利が下がります。

バブル経済で金利が一気に上昇し、リーマンショックの際には大きく後退しました。

では、金利が上がっても景気が良ければ、所得も増えているはずだから大丈夫だろう、と考える人もいるかもしれません。

しかし、この考え方は危険です。景気や金利の変動には、時間差があります。

例えば、バブルが崩壊したのは1989年とされています。しかし、実経済はそれから5年ほどは景気の良い状態が続いていました。短期プライムレートが最高値を記録したのも、1990年12月と、バブルがはじけた後も2年間上昇していたことがわかります。

景気が良くなり、金利が上がっても、給料アップがされるまでには時間差があります。金利が上がったのに給料は低いまま、となるかもしれません。

未払い利息のリスク

変動金利では、5年ルール・125%ルールという規定があります。

金利の更新は6カ月ごとに行われますが、実際の返済額の調整は5年に1度となります。また、一度の更新で、返済額の上昇は125%までと上限が定められています。

これは、金利の急上昇によって家計が圧迫されないようするための、救済措置として設けられているルールです。しかし、メリットばかりに見えるこのルールですが、未払い利息を引き起こす可能性を持っています。

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返済額の調整は5年ごとですが、金利自体は6カ月ごとに行われます。つまり、金利が上がっても返済額が変わらないので、利息が未払いになってしまうのです。この未払いの利息は、返済額の調整時に上乗せされます。

また、返済額の上昇が125%までと定められているため、126%以上アップした場合に、未払いの利息が発生してしまいます。

5年ルール・125%ルールは返済者を守る規定ですが、実際は返済を先送りにしているだけで、後からしわ寄せがきます。

変動金利5年ルール・125%ルールの未払い利息のリスク

住宅ローン破産の可能性

金利が上がるのは怖いけれど、うちは大丈夫だ。

その自信はどこからきているのでしょう?

もし病気やケガで働けなくなったらどうしますか?ボーナスがカットされるかもしれません。会社が倒産するかもしれません。こどもが留学したいと希望して、まとまったお金が必要になるかもしれません。

可能性を考えたらキリがありませんが、万が一の事態に備えて余裕のある返済計画をたてることが重要です。

住宅ローンの返済を3ヶ月以上滞納している家庭は、全国で約9万8000件にも上ります。全ての住宅ローン返済者のうちの約0.89%です。

生きていくために必要な衣食住のひとつである、住宅費の返済を3ヶ月以上も滞納しているということは、かなり家計が苦しくなっていることが想像できます。3ヶ月以上の滞納となれば、住宅ローン破産、マイホームの売却、となってもおかしくありません。

夢のマイホームを手に入れた人の100人に1人が、住宅ローン破産の危機に陥っているのです。

変動金利のリスクマネジメント

変動金利は怖いものだ、それくらいに考えておいたほうが丁度良いでしょう。

変動金利で借りてギリギリ買えるという人は、まだマイホームを購入する準備が整っていないと考えた方がよいです。

十数年前は固定金利は高すぎて選択の余地がありませんでしたが、現在では十数年前の変動金利よりも安く固定金利が借りれます。リスクをとらずに固定金利で借りるというのは、賢い選択です。

とはいえ、変動金利の安さは非常に魅力的です。うまくリスクをコントロールできる人であれば、お得に借りることができます。

  • 返済期間が20年以下
  • 返済額が2000万円以下
  • 繰り上げ返済ができる
  • 借り換え

返済期間が20年以下

金利上昇のリスクは、返済期間が長いほど高まります。

また、働き盛りのうちに返しておくというのも重要です。定年退職は60歳であっても、50歳を超えると若い世代への引継ぎのため、あまり重要な仕事は任されなくなります。それにともない、給料も下がってしまいます。

60歳からの再雇用や、70歳まで定年を引き延ばすという動きもありますが、就業時間が限られたり給料が3割カットといった制限がつきます。

元気なうちにできるだけ返済しておきましょう。

住宅ローンの借りはじめの10年間は、住宅ローン減税が適用されるため、住宅費の負担は大きく軽減されます。元金均等返済にして、はじめの返済額を増やすのも良い方法ですね。

返済額が2000万円以下

借入額が少なければ、金利上昇の痛みを抑えることができます。

20年ローンで0.5%から1.5%へ金利が上昇(1%アップ)したとします。

毎月返済額
借入額 0.5% 1.5%
2000万円 87,586円 96,509円
3000万円 131,380円 144,763円

2000万円の借入額の場合、毎月返済額は約9000円アップします。総返済額は210万円増えます。

もし借入額が3000万円だった場合、毎月返済額は約1万3000円アップします。総返済額は320万円増えます。借入額が1.5倍になると、金利が上昇した際の返済額も1.5倍増えます。

繰り上げ返済ができる

変動金利で借りる場合、繰り上げ返済ができるか否かはとても重要です。

はじめはどうしても住宅ローンの諸費用や不動産屋への紹介料などで、なかなか頭金を増やすことが難しいことも多く、借入額が増えてしまいがちです。

しかし、繰り上げ返済ができれば、返済期間の短縮や返済額を減らすことができます。

親からの贈与や、ボーナス、副業からの収入などで、積極的に繰り上げ返済をし、変動金利のリスクを減らしましょう。

変動金利に借り換えてお得に返す

すでに住宅ローンを借りているという人は、金利の低い変動金利に借り換えることで、今よりも返済額を減らすことができるかもしれません。

借り換えの場合も同様に、返済期間を短くし返済額を抑えることが重要です。また、繰り上げ返済で、できるだけ早く返すようにしましょう。

借り換えには手数料がかかるため、諸費用を含めて返済額がお得になるか計算しましょう。

住宅ローン借り換えの諸費用と支払いの流れ

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